旧黒岩家住宅(旧簾舞通行屋)

札幌市南区簾舞1条2丁目  TEL.011-596-2825
1984年(昭和59)札幌市有形文化財に指定

 札幌から定山渓を経て有珠に通じる「本願寺道路」が明治4年(1871)に開通したことに伴い、翌明治5年(1872)、その要所となる簾舞に通行屋(宿泊・休憩所)として建てられた。当時はかなりの利用があったが、明治6年(1873)に千歳を経て室蘭に至る「札幌本道」が完成した後は本願寺道路を通行する者が次第に減り、簾舞通行屋は明治17年(1884)に廃止された。
 明治20年(1887)に定山渓への新道(現在の旧国道230号)が開通した際に、通行屋の屋守だった黒岩家によって現在地に移築された。その後の増築により開拓農家によく見られた小屋、納屋などを備えた現在の姿になっており、保存会が収集した地域の歴史を伝える写真や道具類を展示した、手作りの郷土資料館として活用されている。