薩摩藩英国留学生記念館 特別企画展「松村淳蔵展」開催中

 薩摩藩英国留学生記念館(鹿児島県いちき串木野市)では、令和5年度特別企画展「律するとは? 松村淳蔵展」が開催されている。

 村橋久成らと共に英国に向かった23歳の市来勘十郎。松村淳蔵と名前を変え、海軍測量術を学ぶ目的でロンドン大学ユニバーシティカレッジに入学。2年後には財政難もあり米国へと渡っている。米国ラトガース大学で学んだのち紆余曲折を経て、日本人として初めてアナポリス海軍兵学校に入学・卒業している。
 当時の最先端の海軍術を身につけ帰国した後は、日本海軍の要職を経て、海軍兵学校の校長を4度務めるなど、初期の日本海軍の海兵教育の発展に大きく貢献している。留学時の変名で通したのは、後に米国でワイン王となった長沢鼎と松村淳蔵の二人だけである。

 海軍創世記の海兵教育に情熱を捧げ、近代日本を海から実現させようとした男、松村淳蔵。 今回は松村淳蔵の子孫と、30年前に「松村淳蔵」をテーマに卒業論文を制作した女性との30年越しの邂逅を実現させるとともに、淳蔵ゆかりの地を訪ね、日本を海から衛る人々や関係者の声を集めたドキュメンタリー映像を目玉に、淳蔵が体現した「律する」という生き方を紐解き追いかける。(薩摩藩英国留学生記念館)

   開催期間:2024年 1月27日(土)~ 6月24日(月)
   薩摩藩英国留学生記念館
   いちき串木野市羽島4930番地
   0996-35-1865